“エッフェル騒動”松川氏は見送り 刷新感は? 総理あす“内閣改造”へ(2023年9月12日)
自民党の役員人事と内閣改造が13日に迫るなか、小渕優子元経済産業大臣が自民党の要職、選挙対策委員長に起用されることが分かりました。この人事から見え隠れするのは岸田総理大臣を支える“長老”への配慮です。
■岸田総理支える“長老”への配慮も?
処理水を汚染水と言い間違え、岸田総理からすぐに撤回と謝罪を指示された野村農水大臣。内閣改造を前にすでに“退任モード”です。
野村農水大臣(79):「年齢も80歳になりますので、ちょっと疲れたなと。もう、これ以上はもう息が切れてしまうということで、また変なことになっちゃいけないので早めにもう引いた方がいいだろうと」
内閣改造と自民党役員人事を巡って詰めの作業が行われるなか、耳を出したショートカットがトレードマークの小渕優子元経産大臣が党4役の一つ、選挙対策委員長に女性として初めて起用されることが固まりました。
現在、49歳の小渕氏は少子化担当大臣、財務副大臣、経済産業大臣などを歴任。父親は総理在職中に病に倒れ、帰らぬ人となった小渕恵三元総理大臣です。その小渕元総理と親しい間柄にあった自民党・参議院のドン、青木幹雄元官房長官のお別れの会では現在も自民党に影響力を持つ森元総理が祭壇の遺影に向かってこう語り掛けました。
森喜朗元総理大臣:「あと心残りが小渕さんのお嬢さんのことだろうと思います。我々も一生懸命、あなたの夢が、あなたの希望がかなうように最大限これからも努力して参りますことをお誓いを申し上げて」
■小渕優子氏(49)自民要職に起用
小渕優子氏は女性初の総理大臣候補の一人と目されています。
政治部(自民党担当)小池直子:「小渕内閣で官房長官を務めた青木さんは生前、『小渕優子さんを総理にするのが私の使命』だと話していました。青木さんが亡くなった後、後ろ盾を引き継いだのが森喜朗さんです。森さんは岸田総理に小渕さんの起用を後押ししていました。ただ、そういったことだけで岸田総理が判断したわけではなく、小渕さんを党4役に起用することは、同じ派閥に所属する茂木幹事長に対する牽制(けんせい)だと言えます。これまで少子化対策や経済対策など、事前の相談なく発信したことなどで岸田総理の茂木幹事長に対する不信が募っていたことは事実です。こうしたことを踏まえて、小渕さんを党幹部として重用することで茂木派内の世代交代につながる可能性もある」
■狙いは?「茂木氏への嫌がらせ」
留任が決まった茂木幹事長と小渕氏は同じ派閥でも直接、会話することもあまりない溝があるとされる間柄です。岸田総理は同じ茂木派の小渕氏を起用することで、来年秋の総裁選をにらみ、ポスト岸田への意欲を隠さない茂木幹事長に対して牽制する狙いがあるとみられます。
自民党関係者:「茂木さんに好き勝手やらせないための牽制、嫌がらせだろう。茂木さんが総裁選に出ようものなら小渕さんを優遇するぞという警鐘だろう」
党4役の主要ポスト2つを茂木派が占めたことについては、閣僚人事などでバランスを取る見通しです。その閣僚人事、ポイントは「女性の登用」です。
政治部(自民党担当)小池直子:「今回の小渕さんもそうですが、女性を起用することで刷新感が出せると期待する見方はあります。当初、岸田総理が女性枠としての入閣の可能性を検討していたのが松川るい参議院議員でしたが、SNSでの発信を受けて見送られました。そもそも、国会議員全体からしても女性の数が少ないという事情もあるうえに、大臣となると答弁に立つ機会も多く高い能力が求められるため、数を増やすと簡単に言ってもそう、うまくはいかない」
党役員人事と内閣改造については12日の夜には全容が固まる見通しです。
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