銃弾1万発提供、政府と韓国国防省の説明に食い違い
銃弾1万発提供、政府と韓国国防省の説明に食い違い <br /> <br /> 南スーダンで活動する韓国軍に日本の自衛隊が小銃の弾1万発を提供したことについて、武器輸出三原則を逸脱するのではないか、そんな指摘も出ています。政府は緊急性が高いと説明していましたが、受け取った側の韓国国防省が「銃弾は不足していない」と説明し、食い違いが出ています。 <br /> <br /> 急激に治安情勢が悪化している南スーダン。国連のPKO=平和維持活動を続ける韓国軍の宿営地では、避難民を受け入れる事態が発生しています。 <br /> <br /> 「韓国隊の隊員および避難民の生命財産を保護するために、必要な弾薬の譲渡をお願いしたいという要請を受けたしだいです」(岸田文雄外相) <br /> <br /> 南スーダンで活動している韓国軍から「小銃の銃弾を提供してほしい」と要請があったのは22日のこと。日本政府では23日の昼、安倍総理らが今月発足したばかりのNSC=国家安全保障会議の枠組みを使ってスピーディーに意思決定を進め、23日の午後には銃弾1万発を提供する方針を持ち回りの閣議で決めました。 <br /> <br /> PKO協力法に基づく初めての他国軍への武器の提供は、要請からわずか1日で決まったのです。 <br /> <br /> 「銃弾が足りないことによって、その地域の治安に乱れが生じ、犠牲が生じることの方が、私どもとして活動の趣旨にそぐうことにならない」(自民党・石破茂幹事長) <br /> <br /> 政府は「緊急の必要性・人道性が極めて高い」とする官房長官談話を発表し、武器の輸出を原則として禁じる「三原則」の例外としました。ただ、政府側は過去の国会答弁で「仮に国連事務総長から弾薬の提供の要請があっても断る」と説明してきただけに、方針を転換した理由が問われてきます。 <br /> <br /> 「国民にやはり、説明をする必要があろうかと思います。国民に対する説明が不十分であるということであります」(民主党・海江田万里代表) <br /> <br /> 「積極的平和主義の名に基づく自衛隊の海外派兵、海外で戦争できる国家づくりへの大きな一歩を踏み出した。絶対に許されない」(共産党・市田忠義書記局長) <br /> <br /> 野党側は「国家安全保障会議ができたからと簡単に決めるのは拙速過ぎる」などと反発していますが、小野寺防衛大臣は銃弾の提供後現地で韓国側から自衛隊に感謝の電話があったことを明らかにし、今回の判断の意義を強調しました。ところが・・・。 <br /> <br /> 「(銃弾は)不足していません。不足はしていないが、予備的に必要になることもあるので、その状況に対処するものです」(韓国国防省報道官) <br /> <br /> 韓国国防省の報道官は、24日の会見で、韓国軍が銃弾の提供を要請したことについて「銃弾は不足していないが、予備の弾薬として借りたものだ」と説明しました。銃弾の提供にどの程度の緊急性があったのか、検証を求める声もあがりそうです。 <br /> <br /> 自民党幹部によりますと、安倍総理は午前の役員会で「万が一断ったら国際社会から批判される」と語り、出席者からも異論は出なかったといいますが、緊急事態、国連の要請という条件がそろえば、今後も武器の提供に応じていくのか?政府には、明確な説明が求められます。(24日17:01)