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(神奈川)川崎市簡易宿泊所火事 利用者の多くは高齢の生活保護受給者 2015年5月18日

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川崎市簡易宿泊所火事 利用者の多くは高齢の生活保護受給者 <br /> <br />2015年5月18日(月)22時14分 <br /> <br />神奈川・川崎市で、簡易宿泊所2棟を全焼した火災は、なぜ発生し、何が被害の拡大を招いたのか。 <br />利用していた多くは、高齢の生活保護受給者だった。 <br />17日午前2時すぎ、川崎市川崎区の簡易宿泊所「吉田屋」から出火。 <br />火は、隣に立つ、同じく簡易宿泊所の「よしの」に燃え移り、2棟が全焼した。 <br />宿泊者は「ベルが鳴って、ドアを開けたら、煙がばーっと。上から火の粉が落ちてきた」と語った。 <br />この火事で、宿泊所に住んでいた市川 実さん(48)ら4人が死亡。 <br />19人が重軽傷を負い、現在も、複数の宿泊者と連絡が取れていない。 <br />宿泊者は「おそらく、逃げ遅れちゃった人もいるのではないか。比較的、高齢者が多いので。自分は53歳だけど、一番若い部類だから」と語った。 <br />全焼した2棟の屋根は、崩れ落ち、上空からも、中の様子がよく見える。 <br />焼け残った壁や柱からは、内部が、細かく部屋で仕切られていることがわかる。 <br />火元となった吉田屋は、築50年以上の木造3階建て。 <br />廊下の両側に、3畳ほどの1人用の部屋が並ぶ造りで、1泊は2,000円前後だという。 <br />宿泊客は、「若い人もいるけど、90%は、60歳から80歳くらい」、「ここに住んでいる人の9割以上が生活保護。自分もそう」などと話した。 <br />川崎市によると、吉田屋や、よしのの住所で生活保護の申請をしている人が、吉田屋に41人、よしのに29人いるという。 <br />特に、高齢の生活保護受給者が、簡易宿泊所を自宅として長期間、滞在しているケースが多いという。 <br />利用する多くが高齢者だという簡易宿泊所。 <br />これは、いったいどんな場所なのか。 <br />川崎市の八丁畷(はっちょうなわて)駅の近くには、簡易宿泊所が密集している。 <br />吉田屋があるのは、JR川崎駅から、およそ800メートルの住宅街。 <br />この近隣には、簡易宿泊所が30軒以上立ち並んでいて、生活保護を受ける多くの高齢者が暮らしていた。 <br />その1人が、現在81歳の小林一枝さん。 <br />生活保護を受け、およそ9年前から、火事が起きた吉田屋で暮らしていた。 <br />幸い、けがはなかったが、住む場所を失ったため、新たな簡易宿泊所へと移った小林さんに同行し、部屋を見せてもらった。 <br />小林さんは「(川崎市が仲介して?)そう、紹介してもらって、ここに。寝るだけでいいからと言って、きのうから。(吉田屋も)部屋は3畳。ここと同じ」と話した。 <br />吉田屋とほぼ同じ造りだという、3畳の部屋。 <br />テレビと小さなテーブルがあり、布団を敷くと、部屋はいっぱいになる。 <br />風呂やトイレは共同。 <br />頭上には、火災報知機がある。 <br />こうした簡易宿泊所で暮らすようになったきっかけについて、小林さんは「72歳の時に(吉田屋に)入った。仕事もできなくて、どうしようもないからということで。 <br />そして、生活保護を。年金もらえなくて。娘と息子がいるし、迷惑かけるのが嫌だから。なるべく、迷惑かけないような生活をしようと思ってますから。 <br />他人がいるところに入りたくない。自分1人の方が、よっぽど身軽でいい」と話した。 <br />火事を受けて、消防などは、19日から、市内にあるおよそ50カ所の簡易宿泊所の立ち入り検査を行う予定で、消防設備や避難路の確保などについて調べる方針。

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