沖縄戦 全記録 / 地上戦の実態と住民の犠牲:膨大なデータと証言のドキュメント
70年経った今も続々と見つかる物言わぬ遺骨。太平洋戦争中、地上戦としては最大の民間人犠牲者を数えた「沖縄戦」。なぜ、9万人超もの住民の命が奪われるに至ったのかー。NHKは、これまで明らかになっていなかった沖縄戦の「沖縄戦・全記録」全体像を、新たに発掘した軍関係の資料や戦死者の記録などに基づき専門家と分析。どこでどれだけの犠牲が出たのか、沖縄戦の記録を詳細にデータ化し、全貌を明らかにした。そこから見えてきたのは、日米両軍の「軍事的決断」がもたらした、あまりにも重い結果である。 <br /> <br /> 日本軍は沖縄戦を、本土進攻までの“時間稼ぎ”と考えていた。しかし戦争も末期、兵力不足は深刻で、女性や子どもまでも戦場に動員。軍民が“一体”となった状態で持久戦を行った結果、住民の犠牲が激増していた。一方、沖縄戦を短期間で決着させようとしていたアメリカ軍。住民の犠牲を極力避ける方針を掲げていたにもかかわらず、実際に戦闘が始まると、ゲリラ的戦いを繰り広げる日本軍に手を焼き、攻撃は無差別に。地形が変わるほどの砲弾の雨を降らせ、日本兵と住民が混在する洞窟を焼き尽くすなど、戦いは凄惨なものになっていった。 <br /> <br /> 米軍が撮影した膨大な未公開フィルムと1000本にのぼる住民たちの生々しい証言テープ、「映像と音声」で沖縄戦を再構築しながら、日米の兵士たちを狂気へと追い込み、南の島を悲劇の戦場に変えた“軍民一体”の地上戦の実態に迫る。 <br /> <br />◎関連映像リンク:「ドキュメント沖縄戦」 <br />戦後70年にあたってNHK沖縄放送局が制作した沖縄の地上戦を克明に描き戦争とは何かを見つめ直したシリーズ。 <br /> <br /> 沖縄国際大学名誉教授の石塚昌家さんが40年あまりにわたって記録した、住民の証言を収めたおよそ1000本のテープをもとに、およそ3ヶ月にわたって続いた沖縄戦を、時系列に沿って描かれた。沖縄本島各地の戦線で、住民たちは何を目撃し、何を体験したのか.もう一つの「沖縄戦・全記録」。2016年11月3日までNHKオンデマンドで無料で視聴できる。 <br /> <br />①本土上陸 ②嘉数高台の戦闘 ③伊江島の戦闘 ④前田高地の戦闘 ⑤那覇の戦闘 ⑥シュガーローフの戦い ⑦首里陥落 ⑧北部と収容所 ⑨特攻 ⑩南部撤退 ⑪持久戦の果てに ⑫戦後70年の思い <br /> http://www.nhk-ondemand.jp/sha....re/special/okinawa.h