月形龍之介・武田一真の剣 その1　山形勲　新吾十番勝負から

新吾十番勝負」に於ける武田一真は、新吾生涯の剣の宿敵として <br />描かれていて、悪人ではありません。 <br />だから、戸上城太郎ではないのです。剣士としての風格を秘めた <br />人物。これは、もう、他社を探しても、月形龍之介さんし <br />考えられません。武田一真と梅井多門との対決は、一シーンを短い <br />カット割りで構成していくを得意とする松田監督も、 <br />長回しで撮っています。一手、二手。チ <br />ャンバラではではありません。 <br /> <br />物語の新吾は、東映時代劇黄金期の一作であるけれど、母と子の <br />物語なのであります。 <br />原作は川口松太郎氏。けれど、川口松太郎氏は大映文学部の所属。 <br />「映画黄金期でも文学部なるセクションは大映にしかありませんでした」。 <br />なのに、東映で映画化れたのには、何か、訳があったの <br />でしょうか?。