映画『異端の鳥』特報
映画『異端の鳥』特報 <br />発禁の書、半世紀の時を経て奇跡の映画化!ホロコーストの本質に迫る、美しくも残酷な異端の問題作!!『異端の鳥』。この度、本作の3時間に及ぶ驚異の映画体験を予感させる特報映像が解禁!<br /><br />原作は、ポーランドの作家イェジー・コシンスキが1965年に発表した「ペインティッド・バード」。ポーランドでは発禁書となり、作家自身も後に謎の自殺を遂げた“いわくつきの傑作”を、チェコ出身のヴァーツラフ・マルホウル監督が実に11年もの歳月をかけて執念ともいえる映像化を果たした。<br /><br />第二次大戦中、ナチスのホロコーストから逃れるために、たった一人で田舎に疎開した少年が差別と迫害に抗いながら強く生き抜く姿と、異物である少年を徹底的に攻撃する“普通の人々”を赤裸々に描いた本作は、ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門で上映されると、少年の置かれた過酷な状況が賛否を呼び、途中退場者が続出。しかし、同時に10分間のスタンディングオベーションを受けユニセフ賞を受賞し、同映画祭屈指の話題作となった。その後も多くの批評家から絶賛を浴び、アカデミー賞国際長編映画賞のチェコ代表にも選ばれている。<br /><br />特報映像は、主人公の少年が大切そうにか弱い小動物を抱え、息を切らしながら懸命に何者かから逃げようとする映画のオープニングシーンで幕を開ける。そして、次の瞬間、体当たりしてきたのは、彼と背丈の変わらない幼い少年だった――。家族とはぐれ、たった一人で戦争の魔の手から逃げる少年は、行く先々で人々から“よそ者”“異端”扱いされ、差別される。数々のむごい仕打ちや試練を捉えながらも、映像のラストで描かれる、その小さな手から鳥が放たれる場面の息をのむような美しさも印象的だ。<br /><br />本作では、『コーリャ 愛のプラハ』などオスカー受賞作品も手掛けた、チェコ映画界きっての巨匠ウラジミール・スムットニーが撮影監督を務めており全編モノクロームの映像は、一コマ一コマがまるで名画のように美しく、非常に強い余韻を残す映像となっている。<br /><br />劇中、少年の行く末のカギを握ることになるドイツ兵を演じるステラン・スカルスガルドのほか、ハーヴェイ・カイテル、ウド・キアーといった豪華出演者たちの劇中の姿も収められた。マルホウル監督によると、彼らの出演を可能にしたのは、名優スカルスガルドが本作への出演に最初に興味を示したおかげだったという。<br />2020年6月12日公開