周南5人殺害2審も死刑判決 2016年09月13日
周南5人殺害2審も死刑判決 <br /> <br />3年前、周南市で男女5人を殺害したなどとして殺人と放火の罪に問われた66歳の男に対し、広島高等裁判所は「報復感情を満たすため5人の命を奪ったことは身勝手というほかなく、1審の死刑判決は重すぎて不当とは言えない」として1審に続いて死刑を言い渡しました。 <br />周南市の保見光成被告(66)は、平成25年7月、同じ集落に住む男女5人を木の棒で殴って殺害し、住宅2棟に火をつけて全焼させたとして、殺人と放火の罪に問われました。 <br />裁判で弁護側は「被告は周囲が自分に危害を加えようとしているなどと誤った思い込みをする『妄想性障害』の影響を強く受けていた」として判断能力などを争って無罪を主張しましたが、1審の裁判員裁判で山口地方裁判所は死刑を言い渡し、弁護側が控訴していました。 <br />13日の2審の判決で広島高等裁判所の多和田隆史裁判長は「犯行は近隣住民から嫌がらせなどを受けているという妄想から報復のために行われたが、その方法は元来の人格に基づいて選択されたもので責任能力はあったとした1審の判決に不合理な点はない」と指摘しました。 <br />その上で、「妄想性障害が一定の影響を与えたことなどを考慮しても、刑事責任は重大で報復感情を満たすため5人の命を奪ったことは身勝手というほかない。1審の死刑判決は重すぎて不当とは言えない」として1審に続いて死刑を言い渡しました。 <br />判決について保見被告の井上明彦弁護士らは「審理が足りていないと考えている。妄想性障害が犯行に影響する可能性について専門家の知見を交えた意見書も提出したが、証拠として採用されず、それについて説明もなかった。責任能力が問えるのかもっと慎重に調べてほしい」と述べ、判決を不服として14日にも最高裁判所に上告する考えを示しました。 <br />一方、殺害された5人の遺族は「上告せずに刑に服してほしい。地裁、高裁での公判を通じて保見被告が果たして本当のことを言ってきたのか。事実がどうだったかもっと知りたかった」とするコメントを出しました。 <br />2016年09月13日 14時11分 <br /> <br /> <br />保見光成 山口県 殺人 <br /> <br />殺害 殺人事件 井上明彦 <br /> <br />多和田隆史