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キリスト教は科学の敵か?

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一神教が科学を邪魔したというのは嘘。 <br /><br />「ガリレイは、生涯誠実なキリスト教徒であり、カトリック教徒であった。・・・ガリレイは、この(コペルニクスの)地動説に賛成であり、1632年に『天文対話』を出版し­て地動説を弁護したことで、罪に問われたのである。しかしそのガリレイは、何も教会に反対したり、キリスト教に反対したりしようとはまったく考えていなかった。彼はむしろ­、教会がいつまでも地動説に無理解のままでいたのでは、教会のためにも、また彼の母国イタリアのためにもよくないと思っていたのである。アルプスの向こう側、ドイツには、­ケプラーという優れた天文学者がいて、素晴らしい成果をあげつつあった。ガリレイは、このケプラーと親しく手紙のやりとりをしていた。そのケプラーは、ガリレイの仲間の研­究者であるとともに、いい意味の競争相手でもあった。カトリックのイタリアは、プロテスタントのドイツに負けてはならない。こういう気もちでガリレイは、法王やローマ教会­の主だった人々に何とか新しい天文学を理解してもらおうと努力していたのである。」(渡辺正雄『科学者とキリスト教』68ページ、講談社) <br /><br />アルフォンス・ドゥ・キャンドルは、『科学と科学者の歴史』(1885)の中で、ヨーロッパの過去二百年の科学者は圧倒的にプロテスタント信仰を背景にしていたと述べてい­る。 <br /><br />ブラッセル自由大学のジャン・ペルスネア教授は、16世紀の南部ネーデルランド(ベルギー)でも、当時の科学者の大部分が、十万ほどしかいなかったプロテスタントのなかか­ら輩出したことを証明した。 <br /><br />アメリカの社会学者ロバート・K・マートンは、1938年に、1663年にイギリス王立学会を創立した人々の65パーセントが人口のごく一部を占めるピューリタンの信仰に­立つことの意味を解明した。 <br /><br />S・M・メイソンは、これら研究をふまえ、『科学の歴史・上』で、「近世ヨーロッパの大科学者のなかで、プロテスタントがカトリックを凌駕していることには、三つの主なる­原因があげられるであろう。 <br /><br />第一は、初期プロテスタントの心性と科学的態度との類縁、 <br /><br />第二に、宗教的目的達成のための科学の使用、 <br /><br />第三に、プロテスタント神学の宇宙的価値と初期の近代科学のそれとの一致である」 <br /><br />とした。

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