19400709 005号 満洲国皇帝陛下ご帰国の途へ 事変3周年記念日民一億決意揺るがず 戦没未亡人靖国神社社頭の対面
満洲国皇帝陛下ご帰国の途へ <br />満洲国皇帝陛下には、紀元2600年御慶祝の御儀の数々を滞りなく終えさせられ、7月6日、御帰国の御途に就かせられました。 <br />この日、陛下には純白の海軍御軍装に、日満両国最高勲章を御佩用(ごはいよう)。日比野呉鎮守府司令長官以下、海軍武官らのお出迎えを受けさせられ、岸壁に御到着。尾関税関長の御先導にて警衛艦朝雲に御乗艦あそばされました。 <br />満艦船飾の在港艦船は晴れの御出航を奉送申し上げる。かくて陛下には、御召艦(おめしかん)日向に御移乗。奉礼砲、殷々(いんいん)と轟(とどろ)き渡るうち、尽きせぬ御名残を惜しまれつつ、八重の潮路を一路、御帰国の途に就かせられました。 <br /><br />事変3周年記念日民一億決意揺るがず <br />三度、めぐりきたった事変記念日。悠久2600年の意義深き年を迎えた7月7日。この日、米内首相以下、各閣僚は明治神宮に参拝。奉告祭ならびに武運長久祈願祭を行いました。民一億が赤誠こめて、御国の英霊に感謝の誠を捧げ、大陸の戦野に奮戦する前線将兵の労苦をしのび、聖戦完遂の決意を固く固く誓いました。 <br />この夜、米内首相は日比谷公会堂において全国民に力強く呼びかけました。 <br /><br /><米内首相> <br />「大陸に興亜の軍を進めてここに3年。本日、三度、聖戦下に支那事変勃発の記念すべき日を迎えたのであります。この機会に所懐の一端を申し述べて、諸君と共に事変の新階段に処する覚悟を新たに致したいと存ずるのであります。諸君、いまや帝国は新古未曽有(しんこみぞう)の一大試練に際会しておるのであります。この試練を乗り越えてこそ、帝国は真に東亜の盟主としての資格を備えうるのであります。我々は今後いかなる困難に直面するとも、ますます伝統的日本精神を奮い起こし、堅忍、不抜の意気と、不退転の勇猛心とをもって東亜再建の大業完遂に邁進(まいしん)せねばなりません。 <br /><br />(拍手) <br /><br />戦没未亡人靖国神社社頭の対面 <br />教壇に雄雄しく更生した戦没将士の未亡人たちが、九段社頭において晴れて靖国の夫に対面できる日が来ました。7月5日、真夏の太陽が新緑に燦燦(さんさん)と降り注ぐ午前9時半、いよいよ待ちに待った瞼(まぶた)の対面であります。 <br />一同は緊張に紅潮した頬を輝かせながら、神前に参進。代表者の玉串奉奠(たまぐしほうてん)に次いで、敬虔な祈りを捧げ、この社に神鎮まります御国の御霊安かれと、更生の決意も固く誓いました。 <br />新しい門出に胸轟(とどろ)かせる未亡人たちにとって今こそ忘れえぬ感激の一瞬でありました。