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英霊の声 三島由紀夫と楯の会 (EP完全復刻版)

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英霊の声 <br /><br />英 霊 の 聲 三島由紀夫作「英靈の聲」より <br /><br />かけまくもあやにかしこき <br />すめらみことに伏して奏さく <br /><br />・・・今、四海必ずしも波穏やかならねど、 <br />日の本のやまとの国は <br />鼓腹撃壌の世をば現じ <br />御仁徳の下、平和は世にみちみち <br />人ら泰平のゆるき微笑みに顔見交わし <br />利害は錯綜し、敵味方も相結び <br />外国の金銭は人らを走らせ <br />もはや戦いを欲せざる者は卑劣をも愛し、 <br />邪まなる戦のみ陰にはびこり <br />夫婦朋友も信ずる能わず <br />いつわりの人間主義をたつきの糧となし <br />偽善の団欒は世をおおい <br />力は貶せられ 肉は蔑され、 <br />若人らは咽喉元をしめつけられつつ <br />怠惰と麻薬と闘争に <br />かつまた望みなき小志の道へ <br />羊のごとく歩みを揃え、 <br />快楽もその実を失い、信義もその力を喪い、 <br />魂は悉く腐蝕せられ <br />年老いたる者は卑しき自己肯定と保全をば、 <br />道徳の名の下に天下にひろげ <br />真実はおおいかくされ、真情は病み、 <br />道ゆく人の足は希望に躍ることかつてなく <br />なべてに痴呆の笑いは浸潤し <br />魂の死は行人の額に透かし見られ、 <br />よろこびも悲しみも須臾にして去り <br />清純は商われ、淫蕩は衰え、 <br />ただ金よ金よと思いめぐらせば <br />人の値打は金よりも卑しくなりゆき、 <br />世に背く者は背く者の流派に、 <br />生かしこげの安住の宿りを営み、 <br />世に時めく者は自己満足の <br />いぎたなき鼻孔をふくらませ、 <br />ふたたび衰えたる美は天下を風靡し <br />陋劣なる真実のみ真実と呼ばれ、 <br />車は繁殖し、愚かしき速度は魂を寸断し、 <br />大ビルは建てども大義は崩壊し <br />その窓々は欲求不満の螢光燈に輝き渡り、 <br />朝を朝な昇る日はスモッグに曇り <br />感情は鈍磨し、鋭角は磨滅し、 <br />烈しきもの、雄々しき魂は地を払う。 <br />血潮はことごとく汚れて平和に澱み <br />ほとばしる清き血潮は涸れ果てぬ。 <br />天翔けるものは翼を折られ <br />不朽の栄光をば白蟻どもは嘲笑う。 <br />かかる日に、 <br />などてすめろぎは人間となりたまいし <br />などてすめろぎは人間となりたまいし <br />などてすめろぎは人間となりたまいし <br />などてすめろぎは人間となりたまいし <br />などてすめろぎは人間となりたまいし

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