映画『王立宇宙軍~オネアミスの翼』(1987)
映画『王立宇宙軍~オネアミスの翼』(1987) - 物語: 1950年代の地球に似ている「もうひとつの地球」にある「オネアミス王国」、正式国名「オネ・アマノ・ジケイン・ミナダン王国連邦」が舞台となる。<br /><br />「失敗ばかり」「なにもしない軍隊」と揶揄され、世間にオネアミス王国の落第軍隊として見下されている王立宇宙軍。宇宙軍士官のシロツグ・ラーダットはかつては水軍[注 1]のジェット戦闘機乗りにあこがれていたが、仕方なく入った宇宙軍で張り合いのない日々を送っていた。ある夜同僚たちと訪れた歓楽街で、シロツグは献身的に布教活動を行う少女、リイクニ・ノンデライコと出会う。多少の下心を秘めてリイクニの住居を訪れたシロツグだったが、彼女から「戦争をしない軍隊」である宇宙軍をほめられて思わず発奮し、人類初の有人宇宙飛行計画の宇宙飛行士に志願する。最初は呆れていた同僚たちもシロツグのやる気に感化され、宇宙旅行協会の老技術者たちとともにロケット打ち上げの準備を進める。<br /><br />落ちこぼれの軍人から国家的英雄にまで祭り上げられるシロツグだったが、打ち上げ計画の裏事情、多額の税金を使う宇宙開発の是非、開発責任者の事故死などのつらい現実に直面する。さらに計画を妨害するため敵国「共和国」が放った暗殺者に命を狙われ、自己防衛のためとはいえ人を殺めてしまう。シロツグはリイクニに救いを求めようとするが、宗教にひたむきな彼女とはすれ違うばかりで、むしろ彼女と暮らす幼な子マナとの交流に心を癒される。<br /><br />打ち上げ当日、リマダとの国境近くのロケット発射台を巡り、王国軍と共和国リマダ駐留軍との間で激しい局地戦が始まる。カウントダウンが一旦中止されるも、シロツグは操縦席の中から仲間に発射決行を呼びかける。ロケットは弾丸飛び交う地上を離れて天高く上昇し、衛星軌道上にたどりついたシロツグは、地上の人々へ祈りのメッセージを語りかける。