政治転換を迫る 志位和夫(日本共産党) 代表質問

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志位氏は、1997年100とし企業経常利益は163まで増えたが労働者の所得・雇用者報酬は88に落ちたと紹介。「賃下げ社会の責任は歴代自民党政権にある。労働法制の規制緩和、非正規雇用拡大が、賃金を引き下げ貧困と格差を拡大した。反省はあるか」とただす。 <br /><br />デフレ不況から抜け出す「3つの決断」として志位氏は、「消費税増税の中止」「大企業・財界の身勝手な賃下げ・リストラに政治の責任でストップをかける」「人間らしい暮らしを保障するルールづくりに踏み出し、政府が賃上げ目標を持つこと」を提起した。 <br /><br />衆院本会議で志位氏は、安倍首相が「安全神話」をふりまき、原発大事故を引き起こしたことへの反省はあるのか、追及。あからさまな原発推進政策は「過半の国民」の意思に背くと首相を批判した。 <br /><br />志位氏は、2006年12月に日本共産党が質問主意書で「巨大地震の発生に伴う全電源喪失によって冷却機能を失った場合の検討を行っているのか」とただし、政府は答弁書で「ご指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期している」と答えたのは総理、あなただったと言う。 <br /><br />総理にいま求められているのは、「安全神話」をふりまき、大事故を引き起こしたことへの深刻な反省であり、国民とりわけ福島県民への謝罪ではありませんか、と首相を厳しく詰めた。志位氏の追及に首相は「心からおわび申しあげます」と国会で初めて謝罪した。 <br /><br />福島県民に謝罪せよという志位氏の衆院本会議質問への首相答弁は「福島第一原発によって被災者の皆様をはじめとする国民の皆様に多大なご苦労をおかけしていることに対して、心からおわび申し上げます」というものだった。 <br /><br />安倍首相は「安全神話に陥ってしまった点、政府として深く反省しなければならない」とも述べた。それでも再稼働・新増設を認める姿勢との矛盾が鮮明になった。 <br /><br />日本軍「慰安婦」問題で志位氏への安倍首相答弁が海外の報道機関からも注目をあびている。志位氏は、「一部に強制性を立証する文書がないことをもって、強制の事実そのものがなかったとする議論がある」が、その議論は成り立たないと質問したもの。 <br /><br />安倍首相が「河野談話」見直しを言っていることに志位氏が質問した。談話作成に直接携わった石原信雄官房副長官の証言を紹介。「通達とか指令とかという文書的なもの、強制性を立証できるような物的証拠はみつけられなかったのですが、、、」と石原氏。さらに石原副長官は「実際に慰安婦とされた人たち16人のヒアリングの結果は、どう考えても、これは作り話じゃない、本人がその意に反して慰安婦とされたことは間違いないということになって、河野談話にしたわけです」と証言している。この証言を紹介して志位氏は見直し論を批判した。 <br /><br />衆院本会議の代表質問で共産党の志位氏は、河野談話はもともと強制性を立証する文書を見つけることはできなかったことを前提に、慰安婦にされた人たちの証言の真実性に基づいて、これは真実のものだと政府が判定して、政府として強制性を認めたものだと指摘した。 <br /><br />政府として河野談話を継承するという立場をとるかぎり、「強制性を立証する文書がないから強制の事実はなかった」などという議論を肯定する余地はなったくない、と志位氏は指摘。首相の見解を問うた。 <br /><br />志位氏の質問に対し、安倍首相は戦争の中で女性の人権が侵害されてきた歴史にふれ、「慰安婦問題についても、筆舌に尽くし難いつらい思いをされた方々のことを思い、非常に心が痛みます。この点についての思いは歴代総理と変わりはありません」と答えた。 <br /><br />河野談話について安倍首相は志位氏に対し「この問題を政治問題、外交問題化させるべきではないと考えています。いわゆる河野談話は、当時の河野官房長官によって表明されたものであり、総理である私からはこれ以上申し上げることは差し控え、官房長官による対応が適当」と述べる。 <br /><br />衆院本会議で志位氏は「第二次大戦後の世界の秩序は、日本ドイツイタリアによる戦争は不正・不義の侵略戦争だったことを共通の土台としている。この土台を覆す動きが万が一にも具体化されたら日本が世界とアジアで生きていく政治的・道義的立場を失うことになる」と首相に警告した。

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